クリーニングで来院した際にプラークや歯石という言葉を耳にしませんか？

プラーク、歯石がどういったものなのか、どのような影響をお及ぼすか、一緒に確認していきましょう！

プラーク（歯垢）・歯石について

●プラーク（歯垢）とは
プラークは口の中に残った食べ物が歯の表面につき、細菌が繁殖した白くねばねばしたかたまりです。
プラーク1mgには300種類、1億個の細菌が存在しています。
食後8時間後にプラークは形成されると言われています。

●歯石とは
先程説明したプラークが長期間（約2週間）取りきれずに放置すると、唾液中に含まれるカルシウムやリン酸がプラークに沈着して、石のように硬くなったものが歯石です。
成分の約80％はリン酸カルシウムですが、そのほかにタンパク質、炭水化物や細菌の死骸などからもできています。
また歯石には縁上歯石と縁下歯石の2種類あります。

●縁上歯石
歯肉より上にできる歯石を縁上歯石といいます。
白、黄色っぽい色で縁下歯石よりは硬くなく、比較的取りやすいですが、歯ブラシやフロスでは取ることができないため、
歯科医院でスケーリングという処置を行って除去する必要があります。

●縁下歯石
歯と歯肉の間（歯肉溝）にプラークが溜まると、プラークの細菌により歯肉が炎症を起こし腫れていき、深くなった溝を歯周ポケットといいます。 その歯周ポケットにできる歯石のことを縁下歯石といいます。
黒褐色でかなり硬く除去するのは困難とされています。これは歯肉溝からの浸出液の成分が含まれます。
これも歯科医院でSRPという処置を行って除去していきます。
SRPは歯周ポケットの奥深くの歯石を取るため、痛みが感みやすいので麻酔をしながら行うことがほとんどです。

プラーク、歯石の違いをまとめました。口の中に細菌がこんなに多く存在するのはご存知でしたか？

舌で歯を触ってザラつきがあれば歯石がついている可能性が高いので、心当たりある方は1度歯科医院で確認してみてください。

プラークと歯石が及ぼす影響

①むし歯
食後、口の中はミュータンス菌（むし歯菌）や乳酸菌などのはたらきで酸性になり、歯のカルシウムを溶かし始めます。（脱灰）
歯垢がすぐに取り除かれれば、歯は再石灰化し自然に修復することもあります。
しかし、プラークが長期間ついたままであったり、歯の奥深くまで脱灰が進んだ場合には、自然に修復することは難しいです。
そうすると脱灰が進んでいき歯に穴が空いて、う蝕（むし歯）ができます。

②歯周病
プラークが歯肉溝に溜まると、歯垢の細菌は、歯肉の奥深くまで繁殖していきます。
また、歯石が放置されると、歯の表面がザラザラしているので、そこに細菌が増殖します。
細菌はこの歯石を足がかりにして、さらにポケットの奥深くまで進行していきます。
また細菌は酸素を嫌うので、さらに奥深くに入って行きます。
細菌の毒素によって、歯を支えている骨（歯槽骨）を溶かしていきます。これが歯周病です。
そうすると歯を支えることが難しくグラグラしていき、結果的に歯を失う原因になります。

③口臭
プラークに含まれる細菌が、硫化水素（腐った卵のような臭い）やメチルメルカプタン（玉ねぎが腐ったような臭い）といった臭いの強いガスを作り出します。
また、歯周病が進行すると歯周ポケットから出る膿みも臭いを発します。

プラーク・歯石を放置すると、むし歯や歯周病、口臭を引き起こすため日々のセルフケアと定期的なクリーニングが重要になってきます。

磨けてるつもりでも、100%磨けている人はほとんどいないため、歯科医院で正しい磨き方を学び、定期的にクリーニングを行うことをおすすめします。

是非一度お近くの歯科医院を受信し、今の口腔内の状態を確認してみて下さい！

参照：e-ヘルスネット　プラーク / 歯垢（ぷらーく） https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yh-031.html
参照：e-ヘルスネット　歯石 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yh-034.html#:~:text=%E6%AD%AF%E7%9F%B3%EF%BC%88%E3%81%97%E3%81%9B%E3%81%8D%EF%BC%89,%E3%81%9F%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%8C%E6%AD%AF%E7%9F%B3%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82