マウスピース矯正とは?

マウスピース矯正とは?

マウスピース矯正とは薄く透明に作られたマウスピース型矯正装置を使って歯を動かしていく矯正方法のことです。

治療段階に応じて作られたマウスピースを順番につけていくことによって、少しずつ理想の歯並びに近づけていきます。

日本では比較的新しい矯正方法ですが、技術の進歩や認知度の普及につれて人気が高くなっています。

これまでの矯正治療は金属のワイヤーが目立ってしまうため、仕事等の内容によっては矯正を諦めざるを得ないケースも多く存在していました。

マウスピース矯正での失敗をしないために、治療開始前に知っておいていただきたい、マウスピース矯正のデメリットについて、解説します。

1. 1日20時間以上使う必要がある

従来のワイヤー矯正とは違い、患者様自身で矯正装置を外すことができるマウスピース矯正は、患者様の協力度によって、治療効果に差が出てしまうことがデメリットの1つです。

マウスピース矯正の種類によりますが、1日最低17~20時間程度の装着が必要となります。食事や歯磨きの時、お仕事でどうしても必要な時以外はマウスピースを外してはいけません。

逆に言うと、食事の時にはマウスピースを外して、普段通りにおいしく食事をとることができ、歯磨きの時はしっかりと磨けるということでもあります。

マウスピースを外せば基本的に何を食べてもOKです。が、マウスピースの着脱回数が増えてしまうとその分装着時間が短くなり計画通りに歯が動かないリスクが高まってしまうのでマウスピース矯正は、装着時間を守る自己管理ができないと、矯正治療を進めることはできません。

歯科医師の指示通りに装置を装着しないと、計画通りに歯が動かず矯正期間が長くなるなどのリスクが高くなるので、指示はしっかりと守るように心がけてください。

また矯正中は歯が動きやすい状態のため咀嚼時に痛みを感じやすい時期がありますので
特に新しいマウスピースに交換して2~3日は硬いものを食べるのは避けることがおすすめです。

2. 臼歯(奥歯)がかまないことがある

アライン(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)は、常に歯の表面を覆っている装置なので、臼歯部が圧下しやすく、治療終了時、臼歯(奥歯)がしっかりとかまない場合があることがデメリットの1つです。

しかし、これも時間の経過とともに噛めるようになる場合が多く、また補助装置で上下の歯をゴムで引っ張り出すことで改善が可能です。

3. 歯槽骨から歯根が出る現象が起き得る

また、マウスピース矯正では歯槽骨から歯根が出る現象が起き得るのですが、これはワイヤー矯正とは違い、歯を傾斜移動ではなく、歯体移動可能なためです。

歯を歯体移動可能なことはマウスピース矯正の大きなメリットであり、非抜歯矯正時にきちんとスペースを空けた状態で歯を奥歯の方に移動させることができます。(スペースがないのに無理に並べようとすると、前歯が前方に傾いてしまいます)

歯槽骨から歯根が出る現象も、しっかりと事前に口腔内診査、レントゲン、CTなどで骨の厚みや移動方向を把握していれば避けることができます。

4. 難しい症例が苦手

患者さんの負担を大きく減らすマウスピース矯正ですが、適応症例(治療可能な歯並び)の多さでは、ワイヤー矯正にかないません。

抜歯をして大きくスペースが空いてしまうケースや、重度の叢生(デコボコの歯並び)、顎変形症など外科手術が必要な難症例の場合は、治療することができません。

ただし、近年は技術の改良や歯への力の加え方を工夫することにより、昔は難しいとされていた症例の治験例が多く発表されてきています。

治療工程の一部を舌側(裏側)矯正など従来のワイヤー矯正と併用して行うことで、マウスピース矯正だけでは治療が難しかった症例に対応できる可能性は高まります。


マウスピース矯正だけでは治療が難しい症例

マウスピース矯正は歯を平行に動かすこと(歯体移動)を苦手としているため、抜歯したことで生まれた大きな隙間を埋めるような、歯根の移動量が大きい症例は苦手としています。

また、上下の顎の位置が前後左右にズレている場合(上下顎前突)はマウスピース矯正では治療が難しくなります。

・歯根の移動量が大きいケース

・顎変形症など外科手術が必要なケース

非適応症の例

「重度の叢生」「左右に顎がずれている症例」「上下顎前突(骨格性)」のような症例ではマウスピース矯正単独ではなく、ワイヤー矯正の技術を併用するようになります。

マウスピース矯正だけでは治療が難しい例

下記症例は、一般的にマウスピース矯正だけでは治療が難しいとされています。

・重度の叢生(そうせい)
・交叉咬合
・上下顎前突

しかし、ワイヤー矯正と併用することで適応症例は増えます。

マウスピース矯正だけでは適応できない症例でも、最後の仕上げや治療工程の一部をワイヤー矯正と併用して行うことで、難症例でも治療ができる可能性はあります。

難症例でなくても、もしもの場合に備えて、マウスピース矯正だけでなくワイヤー矯正の経験も豊富な矯正専門医を受診することをおすすめします。

歯科医の経験によっても治療可能な範囲が変わる

ひと口にマウスピース矯正といっても、取り扱っているアライナーの種類や担当医の経験・技術によっても適応症例はかなり異なります。

矯正治療は、矯正を専門に学んだことがなくても歯科医師免許さえ持っていれば行えるため、医師ごとの経験の差が出やすい医療行為です。

マウスピース矯正はワイヤー矯正ほど職人的な技術は要求されませんが、逆に言うと、「正しい適応診断を行えるか」が治療の成果を左右してしまう面があります。

あるクリニックではマウスピース矯正では治療できないと診断されても、別のクリニックではマウスピース矯正で治療ができると言われる場合もあります。

それは過去に似た症例を治療した経験や、取り扱っているマウスピース矯正の種類、矯正治療を専門に行っているクリニックなのか、矯正治療も行っている一般歯科なのか、ということにも左右されます。

正しい診断には歯科矯正に関する深い専門知識と、豊富な症例経験が必要になりますので、経験豊富な矯正専門医にあたるのが無難です

理想の歯並びになったら矯正治療は終わりです。

矯正治療終了後は保定期間へ

ただし、歯には元の歯並びに戻ろうとする性質があります。これを「後戻り」と言います。

きれいに整った歯並びをキープするためには、保定装置(リテーナー)を装着して後戻りを防がなければなりません。

保定装置は、矯正用マウスピースと同様で毎日20時間以上の装着が必要です。

保定期間は最低でも、矯正にかかった期間と同じ期間は必要です。

たとえば矯正治療に半年かかったのであれば、保定装置も最低半年は毎日20時間以上装着しなければなりません。

その後歯並びの状態を確認しながら保定装置を外している時間を伸ばしていき、最終的には寝るときだけの装着でも問題なくなります。

マウスピース矯正に限らずすべての歯科矯正に共通することですが、効果や感じ方、また歯がどのくらい動くかについては個人差があり、どの矯正方法を選んだ場合でも満足のいく治療結果が得られない可能性があります。


豆知識コラム – マウスピース矯正は虫歯になりやすい?

マウスピース矯正は歯を長い時間マウスピースで覆う治療法のため、唾液の流れが悪くなり、虫歯になるリスクが高まる、と言われることがあります。

実際に患者さんの治療にあたっている立場からみると、マウスピース矯正で虫歯になりやすくなる印象はありません。

磨きにくい部分が出てしまうワイヤー矯正と比べ、装置も取り外して洗浄できるマウスピース矯正は、しっかりと歯みがきをできる方にとっては衛生的な治療法です。

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