ホワイトニングは自宅でできる?方法ごとの違いと費用・リスクを解説

「ホワイトニングは自宅でもできる?」「歯磨き粉やマウスピース、LEDライトはどこまで期待できるの?」と気になっていませんか。自宅で歯の色に働きかける方法には、歯科医院で診察を受けて薬剤を使うホームホワイトニングと、市販品を使ったセルフケアがあります。この2つは、手軽さだけでなく法律上の位置づけそのものが異なります。この記事では、自宅でできるホワイトニングの種類と違い、進め方、費用や治療期間・回数、主なリスクまでを、公的機関の資料をもとに整理します。

目次

自宅でできるホワイトニングとは

自宅でできるホワイトニングとは

自宅で歯を白くしたいと考えたとき、選択肢は大きく2つに分かれます。ここでは、方法の種類と法律上の位置づけの違い、そして自宅のケアで白くできる歯とできない歯について解説します。

自宅で歯を白くする方法の種類

自宅で行う方法は、歯科医院で処方された薬剤を使うホームホワイトニングと、市販品を使うセルフケアの2つに大きく分かれます。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

方法主な特徴位置づけ
ホームホワイトニング歯科医院で診察を受け、処方された薬剤と専用のマウスピースを使用する歯科医院で行う自由診療の一部を自宅で進める
ホワイトニング歯みがき剤毎日の歯磨きに取り入れやすい化粧品または医薬部外品
市販のセルフケア用品自宅で好きなタイミングに使用できる製品により化粧品・医薬部外品・雑貨など

同じ「ホワイトニング」という言葉が使われていても、制度上の扱いと、できることの範囲は同じではありません。まずはこの違いを押さえたうえで、目的に合う方法を選びましょう。

歯科医院のホームホワイトニングと市販品の違い

両者を分けているのは手軽さではなく、法律上の区分です。厚生労働省の通知では、過酸化物を使った歯面漂白材について「トレイ等を用いて過酸化尿素等の過酸化物を歯の表面に塗布し、歯の漂白や歯面清掃の補助を目的とする製品(いわゆるブリーチング材)については、その作用が緩和とはいえず、歯科医師による口腔内の診査診断が必要であることから、医薬部外品及び化粧品には該当せず、薬事法上医療用具(歯科材料)として取り扱われるものである」と示されています。

つまり、過酸化物で歯そのものを漂白する製品は、歯科医師の診査診断を前提とする医療機器として扱われます。なお、通知中の薬事法は現在の医薬品医療機器等法(薬機法)、医療用具は医療機器にあたります。ドラッグストアなどで購入できる歯みがき剤は化粧品または医薬部外品であり、歯科医師の診査診断を前提とする漂白材とは区分そのものが異なります。

出典:過酸化物を用いた歯面漂白材の取扱いについて(◆平成14年02月06日医薬監麻発第206001号医薬審発第206001号)|厚生労働省

自宅のケアで白くできる歯とできない歯

自宅でのケアで対応できるかどうかは、変色の原因と歯の状態によって異なります。まず、次のようなケースは自宅でのケアで改善が見込まれます。

  • コーヒーや紅茶などによる歯の表面の着色汚れ
  • タバコのやになどによる着色汚れ
  • 天然歯の内部に生じた黄ばみ

一方、次のようなケースは、一般的なホームホワイトニングでは対応できない、または十分な変化が得られにくいとされています。

  • 詰め物や被せ物などの人工歯
  • 神経を失ったことによって変色した歯
  • 薬剤などの影響で強く変色した歯

詰め物や被せ物といった人工歯は、ホワイトニング剤を使用しても色が変わりません。変色の原因がわからない場合は自己判断で市販品を使い続けず、歯科医院で相談することが大切です。

自宅でできるホワイトニングの主な方法

自宅でできるホワイトニングの主な方法

自宅で取り入れられる方法は複数ありますが、それぞれ仕組みも制度上の扱いも異なります。ここでは、ホームホワイトニング、歯みがき剤、市販のマウスピース・シート、LEDライト製品の4つに分けて解説します。

歯科医院の薬剤とマウスピースを使うホームホワイトニング

ホームホワイトニングは、歯科医院で診察を受け、自分の歯型に合わせて作製したマウスピースと処方された薬剤を使い、自宅で進める方法です。主な特徴は以下のとおりです。

  • 歯科医院で口腔内の状態を確認してから始める
  • 自分の歯型に合わせて作製したマウスピースを使用する
  • 歯の内部の色素に働きかける薬剤を用いる
  • 装着時間や使用頻度は歯科医師が指示する
  • 薬剤の影響で一時的に歯がしみる場合がある

ホームホワイトニングは、歯科医院での診察と薬剤の処方を前提として自宅で行う自由診療です。自己判断で薬剤の量や装着時間を変えず、歯科医師の指示に従って進めることが前提となります。

ホワイトニング歯磨き粉で着色汚れを落とす方法

市販の歯みがき剤は、自宅で手軽に取り入れやすいセルフケアです。ただし、表示できる効能効果の範囲は薬機法で定められています。厚生労働省の「薬用歯みがき類製造販売承認基準について」では、使用時にブラッシングを行う薬用歯みがき類の効能又は効果として、「歯を白くする」「タバコのやに除去」「歯石の形成及び沈着を防ぐ」「口臭又はその発生の防止」「むし歯を防ぐ」などが挙げられています。

ここでいう「歯を白くする」は、ブラッシングによって歯の表面の着色汚れを取り除くことを指します。歯そのものを漂白する効能ではない点を、購入前に理解しておく必要があります。着色汚れに働きかける成分の例は以下のとおりです。

成分の例主な役割
ポリリン酸ナトリウム歯の表面に付着した着色汚れを落としやすくする
ポリエチレングリコール(PEG)タバコのやになどの汚れを溶かして除去しやすくする
清掃剤(研磨剤)歯の表面に付着した汚れを物理的に除去する

研磨性の高い製品を強い力で使い続けると、歯や歯ぐきに負担がかかる可能性があります。力を入れすぎず、製品の使用方法に従って使いましょう。

出典:薬用歯みがき類製造販売承認基準について(薬生発0628第13号)|厚生労働省

市販のマウスピース・シートなどを使用する方法

歯科医院を受診せずに購入できるセルフケア用品には、次のようなタイプがあります。

  • 歯に装着して使用するマウスピースタイプ
  • 歯の表面に貼り付けるシートタイプ
  • 歯の表面に塗布するジェル・ペンタイプ

これらの多くは、歯の表面の着色汚れを取り除くことを目的とした製品です。前述のとおり、過酸化物で歯そのものを漂白する製品は歯科医師の診査診断を前提とする医療機器にあたるため、店頭で自由に購入できる市販品とは区分が異なります。使用する際は、成分・使用方法・注意事項を必ず確認しましょう。

LEDライトを使用するセルフケア用品の特徴

LEDライトを使う製品は、専用のジェルなどを歯に塗布したうえでライトを照射するタイプが一般的です。主な特徴は以下のとおりです。

  • 自宅で好きなタイミングに使用しやすい
  • 専用のジェルとLEDライトを組み合わせて使用する
  • 製品によって使用方法や照射時間が異なる
  • 併用するジェルの成分によって作用が異なる

LEDライトを当てること自体で歯が漂白されるわけではありません。製品を選ぶ際は、LEDライトの有無ではなく、併用するジェルの成分と製品の使用方法を確認することが重要です。決められた照射時間や使用頻度を守り、異常を感じた場合は使用を中止しましょう。

自宅で行うホームホワイトニングのやり方

自宅で行うホームホワイトニングのやり方

ホームホワイトニングは、歯科医院での診察から始まり、マウスピースの作製を経て自宅での使用に移ります。ここでは、開始までの流れ、使用時の手順、装着時間と期間の考え方、白さを保つための継続方法を解説します。

歯科医院で診察を受けてマウスピースを作製するまでの流れ

まず歯科医院を受診し、口腔内の状態を確認してもらいます。むし歯や歯周病がある場合は、ホワイトニングよりも治療が優先されることがあります。一般的な流れは以下のとおりです。

  • 歯科医院でカウンセリングを受ける
  • むし歯や歯周病、詰め物・被せ物などの状態を確認する
  • 必要に応じて歯のクリーニングや治療を行う
  • 歯型を採取して専用のマウスピースを作製する
  • 完成したマウスピースの装着状態を確認する
  • 薬剤の使い方や装着時間について説明を受ける

事前に診察を受けることで、ホワイトニングを行える状態かどうかを確認してから開始できます。手順や必要な通院回数は歯科医院によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

マウスピースと薬剤を使ったホームホワイトニングの手順

ホームホワイトニングでは、処方された薬剤を専用のマウスピースに入れて装着します。基本的な手順は以下のとおりです。

  • 使用前に歯を丁寧に磨く
  • マウスピースの指定された部分に適量の薬剤を入れる
  • マウスピースを歯に装着する
  • はみ出した薬剤があれば拭き取る
  • 指示された時間まで装着する
  • 使用後はマウスピースを外して口をすすぐ
  • マウスピースを洗浄し、十分に乾燥させて保管する

薬剤が多すぎると歯ぐきに付着し、刺激を感じる原因になることがあります。薬剤の量と装着時間は歯科医院で受けた説明に従い、自己判断で変更しないことが大切です。

1回あたりの装着時間と継続期間の考え方

装着時間や継続期間は、使用する薬剤の種類や濃度、歯の状態、目標とする白さによって異なります。すべての人が同じ条件で行うわけではありません。

項目考え方
1回の装着時間薬剤によって異なるため、歯科医師の指示に従う
使用する時間帯薬剤の種類や生活スタイルに合わせて決める
継続期間目標とする白さや歯の状態によって異なる
変化を感じる時期歯の状態や使用頻度などによって個人差がある

早く白くしたいという理由で装着時間や薬剤の量を増やすことは避けましょう。歯がしみるなどの症状が出た場合は、使用を中断して歯科医師に相談してください。

白さを維持するための使用頻度と継続方法

ホームホワイトニングで得られた白さは永続的なものではなく、飲食物による着色や加齢などによって少しずつ変化します。白さを保つには、以下のような取り組みを組み合わせます。

  • 歯科医師から指示された使用頻度を守る
  • 終了後も丁寧な歯磨きを続ける
  • 着色しやすい飲食物を摂った後は口をすすぐ
  • 定期的に歯科医院でクリーニングや口腔内のチェックを受ける
  • 色戻りが気になる場合は歯科医師に相談する

追加で行うホワイトニングは「タッチアップ」と呼ばれます。適切な頻度は歯の状態や薬剤によって異なるため、自己判断で繰り返さず、歯科医師に相談しながら続けましょう。

自宅ホワイトニングで期待できることと個人差

自宅ホワイトニングで期待できることと個人差

自宅で行う方法は、選んだ手段によって働きかける対象が異なります。ここでは、方法ごとの違いと、変化の現れ方に差が生じる理由を整理します。

方法によって期待できることが異なる

歯科医院で処方される薬剤は歯の内部の色素に働きかけるのに対し、市販の歯みがき剤は歯の表面の着色汚れに働きかけます。この違いをまとめると、以下のとおりです。

項目ホームホワイトニング市販の歯みがき剤・セルフケア用品
実施方法歯科医師の診察を受け、自宅で行う市販品を使って自分で行う
使用するもの処方された薬剤と専用マウスピース歯みがき剤、シート、ジェルなど
働きかける対象歯の内部の色素歯の表面の着色汚れ
制度上の扱い自由診療化粧品・医薬部外品など

「ホワイトニング」と表示された市販品でも、歯そのものを漂白できるとは限りません。歯の内部の色にアプローチしたい場合は、歯科医院で相談したうえで方法を決める必要があります。

効果の現れ方に個人差がある理由と後戻りの仕組み

変化の現れ方には個人差があります。主な要因は以下のとおりです。

  • ホワイトニングを始める前の歯の色
  • 黄ばみや変色の原因
  • 使用する薬剤の種類や濃度
  • 1回あたりの装着時間と使用頻度
  • 目標とする歯の白さ

また、白くなった歯は時間の経過とともに元の色に近づく「後戻り」が起こります。後戻りの速さには個人差があり、コーヒーや紅茶などの飲食物、喫煙、加齢、日頃の歯磨きの状況などが関係します。短期間で変化が見られなくても自己判断で薬剤を増やさず、歯科医師の指示を守って継続することが大切です。

ホームホワイトニングの費用・治療期間・回数と主なリスク

ホームホワイトニングの費用・治療期間・回数と主なリスク

ホームホワイトニングは自由診療にあたるため、始める前に費用・期間・回数・リスクを確認しておく必要があります。ここでは、それぞれについて確認しておきたい項目を整理します。

自由診療であるため費用は医療機関ごとに異なる

ホワイトニングには公的医療保険が適用されないため、料金は各医療機関が独自に設定します。厚生労働省の「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」でも、自由診療について「自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること」が求められています。

厚生労働省の医療施設動態調査(令和7年(2025年)11月末概数)によると、全国の歯科診療所数は65,537施設です。ホワイトニングの取り扱いや料金体系は医療機関ごとに異なるため、受診前に次の項目を確認しましょう。

確認したい項目内容
診察・検査の費用初診料、口腔内診査、必要に応じた検査の費用
マウスピース作製の費用歯型の採取と、上下顎それぞれのマウスピース作製費
薬剤の費用最初に処方される本数と、追加購入時の1本あたりの価格
追加・再診の費用経過確認やタッチアップを行う際の費用
総額と支払い方法目標とする白さに至るまでの総額と支払い方法

ホワイトニングは公的医療保険が適用されない自由診療であり、費用は医療機関ごとに設定されます。金額だけで比較せず、総額に何が含まれるかを確認することが大切です。

出典:医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)|厚生労働省

出典:医療施設動態調査(令和7(2025)年 11 月末概数)|厚生労働省

標準的な治療期間と通院・使用の回数

ホームホワイトニングの期間と回数は、薬剤の種類や濃度、歯の状態、目標とする白さによって変わります。開始前に次の点を歯科医師へ確認しておきましょう。

項目確認したいこと
1回の装着時間薬剤の種類・濃度に応じた1回あたりの時間
使用の頻度毎日行うのか、間隔を空けるのか
継続期間の目安目標とする白さに至るまでに想定される期間
通院の回数カウンセリング、歯型採取、受け取り、経過確認などの回数
タッチアップ後戻りが気になった際に行う追加使用の頻度と費用

必要な期間と回数は薬剤や歯の状態によって異なるため、開始前に歯科医師へ確認しておくことが大切です。目安が示されても、実際の経過によって変わる場合があります。

主なリスク・副作用と受けられない場合がある人

ホームホワイトニングには、次のようなリスク・副作用が知られています。

  • 薬剤の影響で一時的に歯がしみる知覚過敏が起こる場合がある
  • 薬剤が歯ぐきに付着すると、白くなったりヒリつきを感じたりする場合がある
  • 変化の程度には個人差があり、目標とする白さに届かない場合がある
  • 詰め物や被せ物の色は変わらないため、周囲の歯との色調差が生じる場合がある
  • 時間の経過とともに後戻りが起こる

厚生労働省の「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」では、自由診療について「自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること」が求められています。リスクと副作用の説明を受け、内容を確認したうえで開始するかどうかを判断しましょう。また、次に該当する場合は、事前に歯科医師へ申し出てください。

  • むし歯や歯周病などの治療が必要な人
  • 重度の知覚過敏がある人
  • 歯にひびや欠けなどがある人
  • 妊娠中・授乳中の人
  • ホワイトニング剤の成分にアレルギーがある人
  • 無カタラーゼ症の人

なかでも無カタラーゼ症の人は、過酸化水素を分解する酵素が不足しているため、過酸化物を用いるホワイトニングは禁忌とされています。

出典:医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)|厚生労働省

自宅ホワイトニンググッズの選び方

自宅ホワイトニンググッズの選び方

市販品は目的も仕組みも製品ごとに異なります。ここでは、目的別の考え方と、歯みがき剤・マウスピースタイプ・LEDライト製品それぞれの確認ポイントを解説します。

歯を白くしたい目的に合わせた選び方

まず「どのような状態を目指したいのか」を整理しましょう。目的別の考え方は以下のとおりです。

目的選択肢の例位置づけ
歯の内部の色にアプローチしたい歯科医院のホームホワイトニング自由診療
表面の着色汚れを落としたいホワイトニング歯みがき剤化粧品・医薬部外品
毎日のケアで着色を防ぎたいホワイトニング歯みがき剤など化粧品・医薬部外品
自宅で手軽にケアしたい市販のシート・ジェル・LED製品など製品により異なる

「ホワイトニング」と表示された製品でも、すべてが歯そのものを漂白できるわけではありません。購入前に、その製品が何を目的としたものかを確認しましょう。

ホワイトニング歯磨き粉を選ぶときのポイント

商品名やパッケージの印象だけで判断せず、成分や研磨性、使用目的を確認します。

  • 着色汚れの除去をサポートする成分が含まれているか
  • タバコのやになど、気になる汚れに適した成分が含まれているか
  • 清掃剤(研磨剤)の有無や研磨性
  • フッ素などむし歯予防に役立つ成分の有無
  • 毎日無理なく使用できるか

研磨性の高い歯みがき剤を強い力で使い続けると、歯や歯ぐきに負担がかかる可能性があります。表示されている使用方法に従い、丁寧に使いましょう。

マウスピースタイプを選ぶときの注意点

マウスピースタイプには、歯科医院で作製するものと市販のものがあります。主な違いは以下のとおりです。

比較項目歯科医院のマウスピース市販のマウスピースタイプ
フィット感自分の歯型に合わせて作製する既製品が中心
使用するもの歯科医院から処方された薬剤製品によって異なる
制度上の扱い自由診療製品により異なる
使用方法歯科医師の指示に従う商品の説明書に従う

マウスピースを使う製品であっても、歯科医院のホームホワイトニングと同じ扱いになるわけではありません。口の中に痛みや違和感が生じた場合は、使用を中止してください。

LEDライト製品や口コミを見る際のポイント

LEDライト製品を選ぶ際は、ライトの有無だけで判断しないことが大切です。確認したいポイントは以下のとおりです。

  • 併用するジェルにどのような成分が含まれているか
  • メーカーが説明している使用目的
  • 1回あたりの照射時間と推奨される使用頻度
  • 使用上の注意事項
  • 「短期間で真っ白になる」など、根拠の示されない情報を鵜呑みにしない

口コミには個人の感想が含まれるため、同じ製品を使っても同じ結果になるとは限りません。ランキングや評価だけで決めず、成分と使用方法を確認したうえで選びましょう。

自宅ホワイトニングを安全に行うための注意点

自宅ホワイトニングを安全に行うための注意点

自宅で行う場合も、守るべき使用条件や相談すべき状況があります。ここでは、使用時間・頻度、口腔内の状態、症状が出たときの対処、海外製品や無資格者による施術について解説します。

決められた使用時間・頻度を守るべき理由

ホームホワイトニングでは、薬剤の種類や濃度に応じて使用時間と頻度が定められています。守るべき理由は以下のとおりです。

  • 知覚過敏が起こるリスクを抑えるため
  • 歯ぐきへの刺激を防ぐため
  • 薬剤を適切に使用するため
  • 口腔内のトラブルを防ぐため

薬剤を多く使ったり装着時間を延ばしたりしても、その分だけ早く変化するとは限りません。市販品の場合も、商品の説明書に記載された使用時間と頻度を守りましょう。

虫歯や歯周病がある場合に歯科医師への相談が必要な理由

むし歯や歯周病がある状態で薬剤を使用すると、刺激によって痛みやしみる症状が強く出る可能性があります。特に注意が必要な状態は以下のとおりです。

口腔内の状態注意が必要な理由
むし歯がある薬剤の刺激によって痛みが生じる可能性がある
歯周病がある歯ぐきの炎症部分に刺激を感じる場合がある
歯にひび・欠けがある薬剤による刺激を感じる可能性がある
知覚過敏がある症状が強くなる場合がある

自分では気づきにくい状態が隠れている場合もあるため、開始前に歯科医院で口腔内を確認してもらうことが大切です。

知覚過敏や痛みが出た場合の対処方法

使用中や使用後に、一時的に歯がしみる、歯ぐきに違和感があるといった症状が出ることがあります。症状が出た場合は次のように対処します。

  • ホワイトニング剤の使用を一時的に中断する
  • 冷たいものや熱いものなど、刺激の強い飲食物を控える
  • 薬剤が歯ぐきにはみ出していないか確認する
  • 症状が続く場合や痛みが強い場合は歯科医院を受診する

痛みが強い場合や長く続く場合は、むし歯など別の原因が隠れている可能性もあります。自己判断で使用を再開しないことが重要です。

海外製品や個人輸入のホワイトニング剤に注意すべき理由

インターネットを通じて海外製のホワイトニング剤を個人輸入できる場合がありますが、次の点を理解しておく必要があります。

  • 日本国内で医薬品・医療機器としての承認を受けていない未承認品にあたる
  • 入手経路は個人輸入代行業者や海外の通信販売などで、国内の流通管理を経ていない
  • 国内には、歯科医師の診査診断のもとで用いる歯面漂白材が医療機器として位置づけられている
  • 諸外国で流通していても承認状況は国ごとに異なり、日本国内で有効性・安全性が確認されたことを意味しない
  • 国内で承認された医薬品を適正に使用した場合を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象にならない

個人輸入した未承認の製品で健康被害が生じても、医薬品副作用被害救済制度による救済は受けられません。成分や濃度、日本語の説明書の有無を確認できないまま使用すると、歯や歯ぐきに強い刺激を与える可能性があります。未承認の製品を自己判断で使うのではなく、歯科医院で相談しましょう。

出典:個人輸入やインターネット購入による健康被害 | あやしいヤクブツ連絡ネット

出典:医薬品副作用被害救済制度の給付対象 | 独立行政法人医薬品医療機器総合機構

歯科医師がいない店舗でのセルフホワイトニングに関する注意点

利用者自身が機器を操作する「セルフホワイトニング」を提供する店舗もあります。前述のとおり、過酸化物を用いて歯そのものを漂白する製品は歯科医師による口腔内の診査診断が必要とされているため、歯科医師が在籍しない店舗でその施術が行われることはありません。

国民生活センターの公表資料によると、全国の消費生活センター等に寄せられた「セルフホワイトニング」に関する相談件数が増えています。2019年度(令和元年度)の13件に対し、2023年度(令和5年度)は174件でした。契約や解約の条件をめぐる相談が増えているため、無料体験や割引をきっかけに申し込む前に、契約内容を書面で確認することが大切です。同センターは2025年(令和7年)7月にも、セルフホワイトニングの契約トラブルについて注意を呼びかけています。

出典:「セルフエステ」の契約トラブルに注意!-特に「セルフホワイトニング」に関する相談が増えています|国民生活センター

出典:無料体験と思ったら…?「セルフホワイトニング」の契約トラブル|国民生活センター

自宅ホワイトニングと歯科医院のホワイトニングの違い

自宅ホワイトニングと歯科医院のホワイトニングの違い

歯科医院で受けるホワイトニングには、自宅で行うホームホワイトニングと、医院内で施術を受けるオフィスホワイトニングがあります。ここでは、方法・費用・期間の違いと、選ぶ際の考え方を整理します。

ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの違い

どちらも歯科医院で診察を受けたうえで行う自由診療ですが、実施場所と薬剤の扱いが異なります。

比較項目ホームホワイトニングオフィスホワイトニング
行う場所自宅歯科医院
方法薬剤を入れたマウスピースを装着する歯科医院で薬剤を歯に塗布して施術する
使用する薬剤比較的低濃度の薬剤比較的高濃度の薬剤
変化の現れ方時間をかけて徐々に変化する比較的短期間で変化を感じやすい
通院マウスピース作製や経過確認などで必要施術を受けるたびに必要

両方を組み合わせる「デュアルホワイトニング」という方法もあります。いずれも自由診療にあたるため、費用・期間・回数・リスクの説明を受けたうえで判断しましょう。

費用と必要な期間・回数の違い

費用の仕組みも異なります。いずれも公的医療保険は適用されません。

比較項目ホームホワイトニングオフィスホワイトニング
主な費用マウスピース作製費、薬剤費など施術1回ごとの料金など
追加費用薬剤の追加購入費など追加施術の費用など
必要な期間一定期間かけて自宅で継続する1回の施術ごとに完結する
通院回数作製・受け取り・経過確認など目標とする白さに応じて複数回

単純な料金の比較ではなく、目標とする白さに至るまでに必要な回数・期間・総額を確認することが大切です。デュアルホワイトニングを選ぶ場合は、両方の費用が発生する点も確認しておきましょう。

どちらが向いているか判断する基準

どちらを選ぶかは、通院のしやすさ、生活スタイル、予算などによって異なります。判断の目安は以下のとおりです。

ホームホワイトニングは、次のような方に向いています。

  • 自宅で自分の生活に合わせて取り組みたい
  • 時間をかけて進めたい
  • 歯の色を確認しながら継続したい
  • 白さを保つために自宅で追加ケアを行いたい

オフィスホワイトニングは、次のような方に向いています。

  • 比較的短期間で変化を感じたい
  • 結婚式や写真撮影など、目標となる予定がある
  • 自分でマウスピースを管理するのが難しい
  • 歯科医院で施術を受けたい

迷う場合は、希望する状態・予算・期間を歯科医院で伝えて相談しましょう。

自宅ホワイトニングの効果を長持ちさせる方法

自宅ホワイトニングの効果を長持ちさせる方法

白さを保つには、日々の習慣と歯科医院でのケアを組み合わせることが有効です。ここでは、飲食物との付き合い方、毎日の歯磨き、定期的な歯科受診について解説します。

着色しやすい飲食物との付き合い方

着色につながりやすい飲食物には、次のようなものがあります。

  • コーヒー
  • 紅茶・緑茶
  • 赤ワイン
  • カレー
  • チョコレート
  • 醤油やソースなど色の濃い調味料

これらをすべて避ける必要はありません。口にした後に水を飲む、口をすすぐといったケアを加えることで、着色汚れの付着を抑えやすくなります。ホワイトニング直後の飲食について歯科医師から指示を受けた場合は、その内容を守りましょう。

毎日の歯磨きで着色汚れを予防する方法

毎日の歯磨きは、白さを保つための基本的なケアです。次のポイントを意識しましょう。

  • 歯ブラシを強く押し付けず、適度な力で磨く
  • 歯と歯の間や歯ぐきとの境目も丁寧に磨く
  • デンタルフロスや歯間ブラシを必要に応じて併用する
  • 着色汚れが気になる場合はホワイトニング歯みがき剤を取り入れる
  • 着色しやすい飲食物を摂った後は口をすすぐ

着色汚れを落とそうとして強く磨きすぎると、歯や歯ぐきを傷つける原因になります。研磨性の高い歯みがき剤の使いすぎにも注意しましょう。

定期的な歯科クリーニングと歯科検診を取り入れる

毎日のケアを丁寧に行っていても、自分では落としにくい歯垢や歯石、着色汚れが残ることがあります。定期的に歯科医院でクリーニングを受けることで、こうした汚れを取り除けます。

厚生労働省の令和4年(2022年)歯科疾患実態調査では、「この1年間に歯科検診を受けましたか」という質問に「受けた」と答えた人の割合は58.0%でした。歯科医院でのクリーニングは歯そのものを漂白する処置ではなく、口腔内の状態を確認する機会にもなります。白さの維持だけでなく健康管理のためにも、定期的な受診を取り入れましょう。

出典:令和4年歯科疾患実態調査結果の概要|厚生労働省

まとめ

まとめ

自宅でできるホワイトニングは、歯科医院で診察を受けて処方された薬剤を使うホームホワイトニングと、市販品を使うセルフケアの2つに大きく分かれます。この2つは手軽さだけでなく、法律上の区分が異なります。過酸化物で歯そのものを漂白する製品は、歯科医師による口腔内の診査診断を前提とする医療機器として扱われ、市販の歯みがき剤は化粧品または医薬部外品にあたります。市販の歯みがき剤が担うのは、ブラッシングによって歯の表面の着色汚れを取り除くことです。

ホームホワイトニングは公的医療保険が適用されない自由診療です。開始前に費用の内訳、必要な期間と回数、知覚過敏や歯ぐきの刺激といったリスクについて説明を受け、納得したうえで判断しましょう。むし歯や歯周病がある場合、妊娠中・授乳中の場合、無カタラーゼ症の場合などは、事前に歯科医師へ申し出てください。海外製品の個人輸入や、契約トラブルの相談が増えているセルフホワイトニングの利用にも注意が必要です。まずは歯科医院で口腔内の状態を確認してもらい、自分に合った方法を相談することから始めましょう。

自宅ホワイトニングに関するよくある質問

自宅ホワイトニングでも歯は白くなる?

歯科医院で診察を受けて処方された薬剤を使うホームホワイトニングは、歯の内部の色素に働きかける方法です。一方、市販の歯みがき剤は、ブラッシングによって歯の表面の着色汚れを取り除くことを目的としています。どの程度変化するかは、もともとの歯の色や変色の原因、詰め物・被せ物の有無などによって異なります。希望する状態がある場合は、歯科医院で相談してください。

ホームホワイトニングは1日何時間行う?

1日あたりの装着時間は、使用する薬剤の種類や濃度によって異なります。歯科医師から指示された時間を守ることが前提です。自己判断で装着時間を延ばしたり薬剤の量を増やしたりせず、歯がしみる場合は無理に継続せず歯科医師に相談してください。長時間装着すればその分だけ早く変化するとは限りません。

市販のホワイトニンググッズにはどのような効果がある?

市販品は、製品の種類と成分に応じた範囲で使用します。薬用歯みがき類の効能又は効果として認められている「歯を白くする」は、ブラッシングによって歯の表面の着色汚れを取り除くことを指します。歯そのものを漂白する製品は歯科医師の診査診断を前提とする医療機器にあたるため、市販品とは区分が異なります。購入時は名称だけで判断せず、成分と使用方法を確認しましょう。

自宅用LEDライトだけで歯は白くなる?

LEDライトを照射すること自体で歯そのものが白くなるわけではありません。自宅用のLED製品は専用のジェルなどと組み合わせて使うもので、作用はジェルの成分や製品の仕組みによって異なります。選ぶ際は、併用するジェルの成分、1回あたりの照射時間、推奨される使用頻度、使用上の注意事項を確認してください。

ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングはどちらを選べばよい?

いずれも歯科医院で診察を受けたうえで行う自由診療で、実施場所と薬剤の濃度、通院の頻度が異なります。ホームホワイトニングは自宅で継続する方法、オフィスホワイトニングは歯科医院で施術を受ける方法です。両方を組み合わせるデュアルホワイトニングもあります。費用・期間・回数・リスクの説明を受け、生活スタイルと予算に合わせて相談しましょう。

歯科医師がいない店舗のセルフホワイトニングは何が違う?

過酸化物を用いて歯そのものを漂白する製品は、歯科医師による口腔内の診査診断が必要とされているため、歯科医師が在籍しない店舗でその施術が行われることはありません。国民生活センターによると、セルフホワイトニングに関する相談件数は2019年度(令和元年度)の13件から2023年度(令和5年度)は174件へ増加しています。無料体験や割引をきっかけに申し込む前に、契約期間・解約条件・支払い方法を書面で確認しましょう。

出典:「セルフエステ」の契約トラブルに注意!-特に「セルフホワイトニング」に関する相談が増えています|国民生活センター

監修医師

Myデンタルクリニック コラム_監修医師

MYデンタルクリニックは、歯科検診やクリーニングといった予防歯科から、矯正、インプラント、ホワイトニングなどの幅広く皆様のニーズにお応えできる体制を整えております。 来院いただいた皆様が少しでも日常生活を快適にお過ごしいただけるよう、口腔内の健康を全力でサポートさせていただきます。


医療法人 MYメディカル

院長
廣野 大紀
略歴
  • 2009年   3月~ 北海道医療大学 卒業
  • 2013年   4月~ 大泉生協病院歯科 臨床研修
  • 2014年   4月~ 医療法人弘栄会さくら歯科
  • 2019年 12月~ 医療法人社団天成会 本厚木歯科クリニック
  • 2021年   6月~ 医療法人メイロイヤル相模大野駅前歯科医院
  • 2022年 12月~ MYデンタルクリニック渋谷 院長
           

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