歯を白くする方法は?自宅ケア・市販品・歯科医院のホワイトニングを解説

「歯の黄ばみが気になるけれど、自宅でケアできるのだろうか」「市販の歯磨き粉と歯科医院のホワイトニングは何が違うのか」と悩んでいませんか。歯を白くする方法には、自宅でできるケアや市販品を使う方法、歯科医院で受けるホワイトニングなどがあります。ただし、黄ばみの原因によって適した方法は異なり、市販品と歯科医院で対応できる範囲にも違いがあります。この記事では、それぞれの方法を制度の面から整理し、費用や期間、注意点まで解説します。

目次

歯を白くする前に知っておきたい黄ばみの原因

歯を白くする前に知っておきたい黄ばみの原因

歯が黄ばんで見える原因は一つではありません。原因によって適した対処法が変わるため、まずは黄ばみの種類を知ることが大切です。ここでは、歯が黄ばんで見える主な原因を解説します。

コーヒーやタバコなどによる表面的な着色汚れ

コーヒーや紅茶、赤ワイン、カレーなど色の濃い飲食物を日常的に摂取していると、歯の表面に色素が付着し、黄ばみやくすみが目立つことがあります。歯の表面に付着したこうした着色汚れは「ステイン」と呼ばれ、歯そのものの色が変化した状態ではありません。

歯の表面に着色汚れが付きやすいものは、以下のとおりです。

  • コーヒー
  • 紅茶・緑茶
  • 赤ワイン
  • カレー
  • チョコレート
  • タバコ

また、タバコの煙に含まれるやにも歯の表面に付着しやすく、黄ばみの原因の一つです。ステインは歯の表面に汚れが蓄積した状態であるため、毎日の歯磨きや、着色汚れに対応した歯磨き粉の使用、歯科医院でのクリーニングによって対応できる場合があります。

加齢によって歯が黄色く見える理由

歯は年齢を重ねるにつれて、徐々に黄色く見えやすくなります。その理由の一つが、歯の表面を覆う半透明の「エナメル質」が薄くなることです。

加齢によって歯が黄色く見えやすくなる主な理由は、以下のとおりです。

原因歯が黄色く見える理由
エナメル質が薄くなる内側にある象牙質の色が透けて見えやすくなる
象牙質の色が濃くなる加齢に伴って象牙質の黄色みが増しやすくなる
着色汚れが蓄積する長年の飲食習慣などによってステインが蓄積する

エナメル質の内側には、もともと黄色みを帯びた「象牙質」があります。エナメル質が薄くなると象牙質の色が透けて見えやすくなり、歯全体が以前より黄色く感じられることがあります。

また、象牙質自体も加齢に伴って色が濃くなる傾向があります。こうした内側から生じる黄ばみは、歯の表面に付着した汚れとは性質が異なります。

歯磨きだけでは落とせない黄ばみとは

歯磨きで落としやすいのは、歯の表面に付着したステインや歯垢です。一方、加齢による象牙質の色の変化や、歯の内部に生じた変色は、歯磨きで取り除ける汚れではありません。

歯磨きで対応しやすい黄ばみと、対応が難しい黄ばみの違いは以下のとおりです。

黄ばみの種類主な原因歯磨きによる対応
表面的な着色コーヒー・紅茶・タバコなど対応できる場合がある
加齢による黄ばみエナメル質や象牙質の加齢変化対応は難しい
生まれつきの歯の色象牙質などのもともとの色対応は難しい
歯の内部の変色外傷や歯の内部の変化など対応は難しい

生まれつき象牙質の色が濃いなど、もともとの歯の色によって黄色く見えることもあります。歯磨きを続けても色が気になる場合は、自己判断で強く磨かず、歯科医師に相談しましょう。

歯を白くするために自宅でできる方法

歯を白くするために自宅でできる方法

自宅でのケアは、着色汚れをためない習慣を続けることが基本になります。ただし、自宅のケアだけでは対応できない黄ばみもあります。ここでは、自宅で取り組める方法を解説します。

ホワイトニング歯磨き粉で着色汚れを落とす方法

ホワイトニング歯磨き粉は、コーヒーや紅茶、タバコなどによって歯の表面に付着した着色汚れを落とす目的で使用されます。歯そのものを漂白するものではなく、表面に付いた汚れを取り除く製品です。

使用する際は、歯を強くこすりすぎないことが大切です。研磨作用のある歯磨き粉を使って過度に磨くと、歯や歯茎を傷つける可能性があります。市販の歯磨き粉は薬機法上の医薬部外品または化粧品にあたり、表示できる効能効果の範囲が定められています。商品の使用方法や注意事項を確認し、表示に沿って使用しましょう。

市販のホワイトニング用品を活用する方法

ドラッグストアや通販では、歯磨き粉以外にも歯の着色汚れをケアする商品が販売されています。ジェルやシート、歯の消しゴムなど種類は複数あり、それぞれ使い方が異なります(詳しくは後述します)。

日本国内で市販されているセルフケア用品は、歯科医院で使用する薬剤とは法律上の位置づけが異なり、歯そのものを漂白する製品ではありません。また、製品によって薬機法上の区分(医薬部外品・化粧品・雑貨)が異なるため、パッケージの表示を確認することが大切です。歯や歯茎に異常を感じた場合は使用を中止しましょう。

毎日の歯磨きで新たな着色を予防する方法

歯を白く見せるためには、すでに付着した着色汚れを落とすだけでなく、新たなステインをためないことも重要です。厚生労働省の令和6年(2024年)歯科疾患実態調査によると、毎日歯をみがく人の割合は97.3%でした。内訳は毎日2回が50.5%、毎日3回以上が31.1%、毎日1回が15.7%です。

着色汚れを予防するために意識したいポイントは、以下のとおりです。

  • 歯ブラシを細かく動かし、力を入れすぎずに磨く
  • 歯と歯の間はデンタルフロスや歯間ブラシで清掃する
  • 食後はできるだけ口の中に汚れを残さない
  • 就寝前は特に丁寧に歯を磨く
  • 定期的に歯ブラシを交換する

強い力で磨けば着色汚れが落ちやすくなるわけではなく、かえって歯や歯茎を傷つける原因になります。回数だけでなく、適度な力で丁寧に磨くことを心がけましょう。

出典:令和4年歯科疾患実態調査結果の概要|厚生労働省

着色しやすい飲食物を摂った後のケア方法

コーヒーや紅茶、赤ワイン、カレーなどの色の濃い飲食物は、歯の表面にステインが付着する原因となります。これらを完全に避ける必要はありませんが、飲食後のケアを習慣にすることで、着色汚れの蓄積を抑えやすくなります。

着色しやすい飲食物を摂った後は、以下のようなケアを取り入れましょう。

  • 水を飲んで口の中に残った色素を洗い流す
  • 水で口をすすぐ
  • 唾液の分泌を促すためによく噛む
  • 適切なタイミングで歯を磨く

外出先などですぐに歯磨きができない場合は、水を飲んだり口をすすいだりするだけでも取り入れられます。日頃から着色汚れを残さないことを意識し、継続的にケアすることが大切です。

歯を白くする歯磨き粉・市販品の選び方

歯を白くする歯磨き粉・市販品の選び方

市販の歯磨き粉や関連商品は、配合成分や使用方法が異なります。商品名や「ホワイトニング」という表記だけで判断せず、表示されている効能効果を確認することが大切です。ここでは、選び方のポイントを解説します。

市販の歯みがき類に認められている効能効果の範囲

薬用歯みがき類(医薬部外品)は、薬機法に基づく承認基準によって、表示できる効能効果の範囲が定められています。基準を示しているのは、厚生労働省が令和3年(2021年)6月28日付け薬生発0628第13号で発出した「薬用歯みがき類製造販売承認基準について」です。ブラッシングを行うものについては、次の効能効果が認められています。

  • 歯周炎(歯槽膿漏)の予防
  • 歯肉(齦)炎の予防
  • 歯石の形成及び沈着を防ぐ
  • むし歯の発生及び進行の予防(またはむし歯を防ぐ)
  • 口臭又はその発生の防止
  • タバコのやに除去
  • 歯がしみるのを防ぐ
  • 歯を白くする
  • 口中を浄化する
  • 口中を爽快にする

この「歯を白くする」は、歯の表面の着色汚れを落として本来の色に近づける範囲を指し、歯そのものを漂白する意味ではありません。市販品のパッケージに書かれた表現が、この範囲を大きく超えていないかを確認する目安になります。

出典:薬用歯みがき類製造販売承認基準について|厚生労働省

歯磨き粉の成分を確認して選ぶポイント

歯磨き粉を選ぶ際は、商品名だけでなく、どの成分がどの効能効果に対応しているかを確認すると選びやすくなります。前述の承認基準では、有効成分ごとに対応する効能効果が定められています。

承認基準に収載されている主な有効成分と、対応する効能効果は以下のとおりです。

有効成分承認基準上の効能効果
ポリエチレングリコールタバコのやに除去
ポリリン酸ナトリウム歯石の形成及び沈着を防ぐ
フッ化ナトリウムむし歯の発生及び進行の予防
モノフルオロリン酸ナトリウムむし歯の発生及び進行の予防

ポリリン酸ナトリウムは着色汚れを落とす成分として紹介されることがありますが、承認基準上で対応づけられている効能効果は「歯石の形成及び沈着を防ぐ」です。成分名の印象だけで判断せず、パッケージに記載された効能効果の欄を確認しましょう。着色汚れだけでなくむし歯の予防も考えて選ぶと、毎日の口腔ケアに取り入れやすくなります。

出典:薬用歯みがき類製造販売承認基準について|厚生労働省

研磨力の強い歯磨き粉に注意すべき理由

着色汚れを早く落としたいからといって、研磨力の強い歯磨き粉を頻繁に使用したり、強い力で磨いたりするのは避けましょう。過度な研磨によって歯の表面に負担がかかると、エナメル質を傷つける可能性があります。

研磨力の強い歯磨き粉を使用する際に注意したいポイントは、以下のとおりです。

  • 強い力でゴシゴシと磨かない
  • 同じ部分を長時間磨き続けない
  • 商品に記載された使用方法や頻度を守る
  • 歯がしみるなどの異常があれば使用を中止する
  • 歯や歯茎の状態に不安がある場合は歯科医師に相談する

歯の表面に細かな傷がつくと、かえって汚れが付着しやすくなる場合もあります。着色汚れを落とすことだけを優先せず、歯への負担も考えて商品を選びましょう。

塗るタイプなど市販のホワイトニング用品の特徴

市販のホワイトニング用品には、歯に直接塗るジェルやペンタイプ、シートタイプなどがあります。手軽に取り入れられる一方、商品によって使用方法や薬機法上の区分が異なります。

市販されている主なホワイトニング用品の特徴は、以下のとおりです。

種類使い方
ジェルタイプジェルを歯に塗布して使用する
ペンタイプ気になる部分に直接塗りやすく、持ち運びもしやすい
シートタイプ歯の表面にシートを貼り付けて使用する
歯の消しゴムタイプ歯の表面をこすり、部分的な着色汚れを落とす

選ぶ際は、その製品が「表面の着色汚れを落とすもの」なのか、「歯の表面を一時的に覆って白く見せるもの」なのかを区別することが重要です。歯そのものを漂白する薬剤は、後述のとおり歯科医師の管理のもとで使用されるものであり、一般向けに市販されるものではありません。

歯を白くする歯科医院のホワイトニング方法

歯を白くする歯科医院のホワイトニング方法

歯そのものの色が気になる場合は、歯科医院で受けられるホワイトニングが選択肢になります。代表的な方法は、オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、両方を組み合わせる方法の3種類です。ここでは、それぞれの内容と費用・期間・リスクを解説します。

ホワイトニング剤の薬機法上の位置づけ

歯の漂白に使われる過酸化物を含む薬剤は、市販のセルフケア用品とは法律上の扱いが異なります。厚生労働省は平成14年(2002年)2月6日付けで、通知「過酸化物を用いた歯面漂白材の取扱いについて」を示しました。この通知では、トレー等を用いて過酸化物を歯の表面に塗布する製品について、その作用が緩和ではなく歯科医師による診査診断が必要とされています。そのうえで、こうした製品は医薬部外品及び化粧品には該当せず、薬機法上の医療機器(歯科材料)として取り扱うものとされています。

つまり、歯そのものを漂白する処置は、歯科医師の診査診断を前提とした医療行為として位置づけられています。市販品と歯科医院の処置で対応できる範囲が異なるのは、この法律上の区分が理由です。

出典:過酸化物を用いた歯面漂白材の取扱いについて|厚生労働省

歯科医院で行うオフィスホワイトニングの特徴

オフィスホワイトニングは、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が行う方法です。歯にホワイトニング剤を塗布し、使用する薬剤や方法によっては光を照射します。

費用・期間・リスクの目安は、以下のとおりです。

項目内容
費用自由診療のため公的医療保険は適用されず、全額自己負担。金額は歯科医院ごとに設定されるため一律ではない
通院回数日本歯科医師会の解説では通常3〜6回の通院が必要とされる
主なリスク・副作用施術後に一時的な知覚過敏が生じることがある

施術後に一時的な知覚過敏が生じることがあり、症状が続く場合は歯科医師への相談が必要です。また、詰め物や被せ物などの人工歯は、この方法では色が変わりません。受診前には、必要な回数と1回あたりの費用、総額を確認しておきましょう。

出典:ホワイトニング|歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020

自宅で行うホームホワイトニングの仕組み

ホームホワイトニングは、歯科医院で作製した専用のマウスピースと処方された薬剤を使い、自宅で行う方法です。歯科医師の指示に従ってマウスピースに薬剤を入れ、一定時間装着します。

基本的な流れは、以下のとおりです。

  • 歯科医院で口腔内の状態を確認する
  • 歯型を採取して専用のマウスピースを作製する
  • 薬剤とマウスピースを受け取る
  • 歯科医師の指示に従って自宅で装着する
  • 定期的に歯科医院で状態を確認する

費用・期間・リスクの目安は、以下のとおりです。

項目内容
費用自由診療のため全額自己負担。マウスピースの作製費用と薬剤代を含む総額を事前に確認する
期間・回数日本歯科医師会の解説では2週間程度の装着期間が目安とされる。装着前後に歯科医院での確認が必要
主なリスク・副作用知覚過敏や歯茎への刺激が生じることがある

薬剤の量や使用時間を自己判断で増やさず、歯科医師の指示を守って使用しましょう。異常を感じた場合は使用を中止し、歯科医院に連絡してください。

出典:ホワイトニング|歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020

オフィスとホームを組み合わせるデュアルホワイトニングとは

デュアルホワイトニングは、歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、自宅で行うホームホワイトニングを組み合わせる方法です。

3つの方法の違いは、以下のとおりです。

方法実施場所費用の考え方主なリスク・副作用
オフィスホワイトニング歯科医院自由診療・全額自己負担一時的な知覚過敏
ホームホワイトニング自宅自由診療・全額自己負担知覚過敏、歯茎への刺激
デュアルホワイトニング歯科医院と自宅2つの方法を行うため費用は高くなる傾向上記2つのリスクが該当する

デュアルホワイトニングは2つの方法を行うため、費用と通院回数はそれぞれの合計に近くなります。必要な期間や回数は口腔内の状態によって変わるため、受診前に総額・通院回数・想定される期間・主なリスクを歯科医師に確認しておくことが大切です。

クリーニングとホワイトニングの違い

歯科医院で受けられるクリーニングとホワイトニングは、目的と仕組みが異なります。クリーニングは歯の表面に付着した汚れを取り除く処置で、歯そのものを漂白するものではありません。

両者の違いは、以下のとおりです。

比較項目クリーニングホワイトニング
主な目的歯垢・歯石・着色汚れなどの除去歯そのものの色に働きかける
対象歯の表面に付着した汚れ歯そのものの色
主な方法専用器具などで汚れを除去するホワイトニング剤を使用する
保険の扱い目的や症状により保険診療となる場合がある自由診療

コーヒーやタバコなどによる表面的な着色が目立つ場合は、クリーニングで対応できることもあります。自分の黄ばみの原因が分からない場合は、まず歯科医院で確認してもらいましょう。

歯を白くする方法ごとの費用・期間の考え方

歯を白くする方法ごとの費用・期間の考え方

方法によって、対応できる範囲や費用の仕組みが異なります。何を重視するかで適した選択肢も変わります。ここでは、費用と期間の考え方を整理します。

ホワイトニングが自由診療となる理由と費用の確認方法

歯科医院のホワイトニングは、公的医療保険が適用されない自由診療です。厚生労働省の医療広告ガイドラインに関するQ&Aでは、ホワイトニングについて「医薬品医療機器等法上の承認を得ている医薬品を使用し、自由診療である旨及び標準的な費用を記載する場合には、広告可能です」とされています。

自由診療は医療機関が金額を設定するため費用は一律ではなく、同じ施術名でも歯科医院によって総額が異なります。また、医療広告ガイドラインでは、自由診療について情報提供する場合の要件が定められています。通常必要とされる治療等の内容や費用等に関する事項と、主なリスク・副作用等に関する事項の情報提供が求められる内容です。受診前には、次の点を確認しましょう。

  • 施術の総額(薬剤代・マウスピース代・再診料を含むか)
  • 必要な通院回数と1回あたりの費用
  • 想定される期間
  • 主なリスクと副作用、対応方法
  • 追加の施術が必要になった場合の費用

出典:医療法における病院等の広告規制について |厚生労働省

自宅ケアと歯科医院で対応できる範囲の違い

自宅で使うホワイトニング歯磨き粉や市販品は、歯の表面に付着したステインを取り除く範囲の製品です。一方、歯科医院で使われる歯面漂白材は、前述のとおり薬機法上の医療機器(歯科材料)として扱われます。

対応できる範囲と費用の仕組みの違いは、以下のとおりです。

方法対応できる範囲費用の仕組み
歯磨き粉・市販品表面的な着色汚れ商品代のみ
オフィスホワイトニング歯そのものの色自由診療・全額自己負担
ホームホワイトニング歯そのものの色自由診療・全額自己負担
デュアルホワイトニング歯そのものの色自由診療・全額自己負担

市販品では歯そのものを漂白できないため、表面の汚れを落としても色が気になる場合は歯科医院での相談が必要です。

費用を抑えたい場合に取り組めること

費用をできるだけ抑えたい場合は、着色汚れをためない習慣から始める方法があります。コーヒーや紅茶などによる表面的な着色であれば、前述の毎日のケアで目立ちにくくなる可能性があります。歯科医院のクリーニングも、目的や症状によっては保険診療の対象となる場合があります。

ただし、セルフケアで歯そのものの色に働きかけることはできません。費用だけで判断せず、原因に合った方法を選ぶことが大切です。

時期を決めて相談する場合に確認したいこと

結婚式や就職活動などの予定に合わせて歯科医院に相談する場合は、スケジュールの確認が重要です。必要な回数や期間には個人差があり、一度の施術で希望どおりになるとは限りません。

事前に確認したいポイントは、以下のとおりです。

  • 予定している日までに必要な回数を終えられるか
  • 1回あたりの施術時間と通院間隔
  • 施術後に知覚過敏が生じた場合の対応
  • 詰め物や被せ物がある場合の扱い
  • 施術後に必要なケアと注意点

余裕を持って歯科医院に相談し、スケジュールと費用の両面から検討しましょう。

歯を白くする際に避けたい自己流の方法

歯を白くする際に避けたい自己流の方法

自宅で手軽にという気持ちから、重曹を使ったり歯を強く磨いたりする自己流の方法には注意が必要です。誤ったケアは歯や歯茎に負担をかけます。ここでは、避けたい方法とその理由を解説します。

重曹など家にあるものを使った方法に注意する理由

インターネットやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)では、重曹など家庭にあるものを使う方法が紹介されていることがあります。しかし、歯科用として作られていないものを自己判断で使用すると、歯や歯茎を傷つける可能性があります。

自己流の方法で起こり得る主なトラブルは、以下のとおりです。

  • 歯の表面を傷つける
  • 歯茎や口腔内の粘膜を刺激する
  • 知覚過敏につながる
  • 歯の表面に細かな傷がつき、汚れが付着しやすくなる
  • 黄ばみの原因に合わず、期待した結果にならない

家庭にある身近なものであっても、歯に使用して安全とは限りません。口腔ケア用として販売されている製品を、記載された使用方法に沿って使いましょう。

歯を強く磨いても白くならない理由

歯の黄ばみが気になると、力を入れて磨いてしまうことがあります。しかし、歯磨きで落とせるのは主に歯の表面に付着した歯垢やステインであり、強く磨いても歯そのものの色は変わりません。

歯を強く磨くことで生じる可能性がある問題には、以下があります。

  • 歯の表面に負担がかかる
  • 歯茎を傷つける
  • 歯茎が下がる原因になる
  • 歯の根元が露出し、知覚過敏が起こりやすくなる
  • 歯ブラシの毛先が広がり、汚れを落としにくくなる

加齢や歯の内部の変色が原因の場合、磨く力を強くしても状況は変わりません。着色汚れを落とす際も、適度な力で丁寧に磨きましょう。

個人輸入した海外製ホワイトニング製品のリスク

海外の通販サイトなどで販売されている歯の漂白剤には、日本国内で医薬品・医薬部外品・医療機器としての承認を受けていないものが含まれます。こうした未承認の製品は、個人輸入や海外通販という経路で入手されることがあります。

未承認の製品を使用する場合、次の点に注意が必要です。

  • 日本国内で承認を受けていない製品であり、品質・有効性・安全性が国内の基準で確認されていない
  • 入手経路が個人輸入や海外通販に限られ、国内の販売業者による説明を受けられない
  • 国内では、歯の漂白に用いる歯面漂白材が薬機法上の医療機器(歯科材料)として承認されており、歯科医師の管理のもとで使用される
  • 諸外国での承認状況は国ごとに異なり、海外で流通していることは日本国内での承認を意味しない
  • 健康被害が生じても、公的な救済制度の対象にならない

厚生労働省は、個人輸入について「日本国内で医薬品医療機器等法を遵守して販売等されている医薬品については、それを適正に使用したにもかかわらず重大な健康被害が生じた場合に、その救済を図る公的制度(医薬品副作用被害救済制度)があります。しかし、個人輸入された医薬品による健康被害については救済対象となりません」と説明しています。

出典:医薬品等を海外から購入しようとされる方へ|厚生労働省

セルフホワイトニングを利用する際の注意点

利用者が自分で機器や薬剤を扱う「セルフホワイトニング」の店舗も増えています。国民生活センターが2024年(令和6年)7月31日に公表した資料によると、全国の消費生活センター等に寄せられたセルフホワイトニングに関する相談件数は増加傾向にあります。2019年度(令和元年度)の13件に対し、2023年度(令和5年度)は174件でした。

同資料では、消費者へのアドバイスとして次の点が挙げられています。

  • 「セルフエステ」は、一般にクーリング・オフできない
  • 「無料」という言葉に注意する
  • 手軽に試しやすいが、契約内容をよく確認する
  • 不安に思った場合や解約時にトラブルになった場合は、すぐに相談する

セルフホワイトニングの店舗は医療機関ではなく、歯科医師による診査診断を受けられる場ではありません。契約前に、施術内容と契約条件の両方を確認しましょう。

出典:「セルフエステ」の契約トラブルに注意!-特に「セルフホワイトニング」に関する相談が増えています|国民生活センター

自己流のケアを続けず歯科医院へ相談したいケース

セルフケアを続けても黄ばみや変色が変わらない場合、歯の表面の着色以外に原因がある可能性があります。特に1本の歯だけが変色している場合は、ホワイトニング以外の処置が必要になることもあります。

次のような場合は、自己流のケアを続けず歯科医院への相談を検討しましょう。

  • 丁寧に歯磨きしても黄ばみが変わらない
  • 1本だけ色が大きく異なる歯がある
  • 歯が黒色や茶色などに変色している
  • 歯の痛みやしみる症状がある
  • 歯茎に腫れや出血などの異常がある
  • 自分の黄ばみの原因が分からない

歯の変色には、着色汚れだけでなく、むし歯や外傷、歯の神経の状態が関係している場合もあります。気になる症状がある場合は歯科医師に確認してもらいましょう。

歯を白くした状態を保つための方法

歯を白くした状態を保つための方法

ホワイトニングやクリーニングを受けても、時間の経過や日々の食生活によって再び着色します。ここでは、状態を保つための方法を解説します。

コーヒー・紅茶・ワインなど着色しやすい飲食物への対策

コーヒーや紅茶、赤ワインなどは、歯の表面にステインが付着しやすい飲み物です。これらを完全に避ける必要はなく、飲食後のケアで着色汚れをためないことが大切です。

着色汚れが付きやすい主な飲食物と対策は、以下のとおりです。

飲食物着色対策
コーヒー・紅茶飲んだ後に水を飲んだり口をすすいだりする
赤ワイン飲んだ後に水を飲み、色素が口の中に残るのを抑える
カレー食後に口をすすぎ、適切なタイミングで歯を磨く
チョコレート食後に水を飲み、口の中に汚れを残さない
ソース類食後の歯磨きやうがいを習慣にする

外出先ですぐに歯を磨けない場合でも、水を飲んだり口をすすいだりする方法なら実践できます。飲食後のケアを習慣にしましょう。

歯と歯の間の汚れを残さない清掃方法

着色汚れをためないためには、毎日の歯磨きで歯垢を残さないことが基本です。特に歯と歯の間や歯と歯茎の境目は歯ブラシの毛先が届きにくく、汚れが残りやすい部位です。

デンタルフロスは歯と歯の接する面の汚れを、歯間ブラシは歯と歯の隙間の汚れを取り除くために使い分けます。歯間の広さによって適した道具やサイズが異なるため、歯科医院で自分に合ったものを確認するとよいでしょう。強い力で磨くのではなく、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に適切に当てることが、汚れを取り除くうえで重要です。

歯科医院の定期的なクリーニングを活用する

毎日丁寧に磨いていても、歯石や細かな着色汚れをすべて自分で取り除くことは困難です。厚生労働省の令和6年(2024年)歯科疾患実態調査によると、過去1年間に歯科検診を受けた人の割合は63.8%(男性60.6%、女性66.5%)でした。

定期的にクリーニングを受ける主な内容は、以下のとおりです。

  • セルフケアでは落としにくい歯垢や歯石を除去する
  • 歯の表面に付着した着色汚れを除去する
  • むし歯や歯周病などの状態を確認する
  • 自分に合った歯磨き方法の説明を受けられる

クリーニングは歯そのものを漂白する処置ではありませんが、表面的な着色汚れを取り除くことで、本来の歯の色を保ちやすくなります。毎日のセルフケアと歯科医院でのケアを組み合わせましょう。

出典:令和4年歯科疾患実態調査結果の概要|厚生労働省

まとめ

まとめ

歯の黄ばみには、歯の表面に付着した着色汚れによるものと、エナメル質や象牙質の加齢変化によるものがあります。原因によって適した方法が異なるため、まずは何が原因かを知ることが出発点になります。

市販の歯みがき類は、薬機法に基づく承認基準で表示できる効能効果の範囲が定められており、「歯を白くする」は表面の着色汚れを落とす範囲を指します。一方、歯そのものを漂白する歯面漂白材は薬機法上の医療機器(歯科材料)として扱われ、歯科医師の診査診断を前提に使用されます。

歯科医院のホワイトニングは自由診療で、費用は全額自己負担となり、金額は歯科医院ごとに異なります。受診前には、総額・通院回数・想定される期間・主なリスクと副作用を確認しておきましょう。重曹などの自己流のケアや、個人輸入した未承認製品の使用は、歯や歯茎を傷つけたり、健康被害が生じても公的な救済制度の対象外となったりする点に注意が必要です。気になる症状がある場合は、歯科医師に相談しましょう。

歯を白くする方法に関するよくある質問

自宅で歯を白くするにはどのような方法がある?

自宅で行う方法は、目的によって大きく2つに分かれます。目的別の整理は、以下のとおりです。

目的主な方法
表面的な着色汚れを落としたいホワイトニング歯磨き粉
新たな着色を防ぎたい毎日の歯磨き・飲食後のケア
歯そのものの色に働きかけたい歯科医院で処方されるホームホワイトニング

歯そのものの色に働きかけるホームホワイトニングは、歯科医院で処方された薬剤と専用のマウスピースを使う方法で、自己判断で始められるものではありません。黄ばみの原因が分からない場合は歯科医院で相談しましょう。

家にあるもので歯を白くする方法はある?

重曹やレモンなど家庭にあるものを使う方法が紹介されていることがありますが、歯科用ではないものを自己判断で歯に使用することは避けましょう。酸性の食品を歯に直接使用するとエナメル質に負担がかかる可能性があり、研磨作用のあるもので強くこすると歯の表面を傷つけるおそれもあります。口腔ケア用として販売されている製品を、記載された方法で使用してください。

費用をかけずに歯を白くすることはできる?

費用をかけずに歯そのものの色に働きかけることは困難です。ただし、色の濃い飲食物を摂った後に水を飲む、タバコを控える、毎日の歯磨きを丁寧に行うなど、生活習慣を見直して新たな着色汚れを防ぐことはできます。すでに目立つ黄ばみがある場合は、その原因に応じた対応を検討しましょう。

一時的に歯を白く見せる方法はある?

歯の表面を一時的に覆って白く見せるタイプの製品も販売されています。ただし、歯そのものを漂白するものではなく、状態は一時的です。製品によって薬機法上の区分や使用できる部位が異なるため、歯への使用を目的として販売されている製品を選び、記載された注意事項に従いましょう。

市販の歯磨き粉だけで歯は白くなる?

薬用歯みがき類の承認基準では「歯を白くする」が効能効果として認められていますが、これは歯の表面の着色汚れを落として本来の色に近づける範囲を指します。歯科医院で使用される歯面漂白材とは薬機法上の区分が異なり、市販の歯磨き粉に歯そのものを漂白する位置づけはありません。

黄ばみ・変色の原因歯磨き粉での対応
飲食物による表面的な着色対応できる
タバコのやに汚れ対応できる場合がある
加齢による歯の黄ばみ対応は難しい
歯の内部から生じた変色対応は難しい

歯磨き粉を使用しても黄ばみが気になる場合は、歯科医院で原因を確認してもらいましょう。

出典:薬用歯みがき類製造販売承認基準について|厚生労働省

歯科医院のホワイトニングはどのくらい白くなる?

仕上がりには個人差があり、もともとの歯の色や黄ばみの原因、使用する薬剤、回数によって異なるため、一律に示すことはできません。また、詰め物や被せ物などの人工歯は、ホワイトニングでは色が変わりません。天然歯と人工歯が混在している場合、施術後に色の差が目立つことがあります。希望がある場合は施術前に歯科医師へ伝え、口腔内の状態を確認したうえで、必要な回数と費用、主なリスクについて説明を受けましょう。

監修医師

Myデンタルクリニック コラム_監修医師

MYデンタルクリニックは、歯科検診やクリーニングといった予防歯科から、矯正、インプラント、ホワイトニングなどの幅広く皆様のニーズにお応えできる体制を整えております。 来院いただいた皆様が少しでも日常生活を快適にお過ごしいただけるよう、口腔内の健康を全力でサポートさせていただきます。


医療法人 MYメディカル

院長
廣野 大紀
略歴
  • 2009年   3月~ 北海道医療大学 卒業
  • 2013年   4月~ 大泉生協病院歯科 臨床研修
  • 2014年   4月~ 医療法人弘栄会さくら歯科
  • 2019年 12月~ 医療法人社団天成会 本厚木歯科クリニック
  • 2021年   6月~ 医療法人メイロイヤル相模大野駅前歯科医院
  • 2022年 12月~ MYデンタルクリニック渋谷 院長
           

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